山本こどもクリニック

【山本こどもクリニック】浜松市東区の小児科,アレルギー科,呼吸器科

〒431-3125 静岡県浜松市東区半田山4-41-5
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喘息のよくある質問

どんな症状があれば喘息ですか?

胸がゼイゼイヒューヒューして急に息が苦しくなる発作や、激しい咳込みの発作が急激に起こる病気です。
発作が出たり消えたりを繰り返します。
ゼーゼーヒューヒューが2度以上あれば喘息と診断します。
(小児気管支喘息治療管理ガイドライン2002、16ページ)
夜間や明け方に悪く、昼にはよくなることがよくあります。
よくあるのは次のようなことです。
夜間に強い咳がでる。運動した後に咳き込みやゼーゼーヒューヒューが起こる。
風邪をひいた時にゼーゼーヒューヒューする、または咳がいつまでも続く。
動物に近づいたときや、花粉やほこりなどにあうとゼーゼーヒューヒューする、咳き込む。
こうした症状が気管支拡張剤の吸入や点滴でよくなれば喘息と診断できます。
ところで、ゼーゼー、ヒューヒューとした音が出るのは、実はひどい喘息発作なのです。

ピークフローメーターで測定すると、本人の最高値の半分以下の時がしばしばです。
喘息発作で、本人が苦しくてもゼーゼーヒューヒューが聞こえないことはよくあり、この場合はピークフローメーター測定をして、気管支拡張剤の吸入で値が15%以上よくなれば喘息と考えます。
夜間救急で腹痛で来院され、ゼーゼーヒューヒューはなかったのですが、顔色が悪く息苦しさを訴えて、吸入したら顔色もピークフローも改善して喘息と分かったことがあります。
腹痛が喘息発作のサインのこともあるのです。
しかし、本人が「どうせ苦しいのを分かってもらえない」と考えていて苦しさを言わないことがあって診断に悩むこともあります。
咳だけが長く続く咳喘息もあります。
ゼーゼーヒューヒューしているのに、本人があまり気にしていない人は、発作になれてしまった重症な人であることが多く、喘息で死亡する危険が高いと考えます。

 

ゼーゼーヒューヒューしたら、すべて喘息なのですか?

国際的なガイドラインであるGINA2002(日本語訳は協和企画より出版)では「他の疾患が証明されない限り、喘鳴(ゼーゼーヒューヒュー)はすべて喘息である」とみなす方が適切である。(日本語訳68ページ)と記載され、私もそう思います。
ゼーゼーヒューヒューは、気管支が狭くなって笛のようになっていることを示すだけなので、むろん、喘息ではないものもあります。
小児ではよくある急性喉頭炎(クループ)が喘息発作とまぎらわしいこともあります。
乳幼児では細気管支炎という、RSウィルスによる病気が、やはり突然ゼーゼーヒューヒューします。
細気管支炎から、呼吸困難になって数日間の人工呼吸器治療を必要とした経験が何人かあり、私は恐れています。
また、細気管支炎になると将来喘息になりやすいことが分かっています。
乳幼児で痰のからむゼロゼロした呼吸がずっと続く人も多くいます。
喘息は夜悪く昼はよいことが多いのですが、痰のからむ赤ちゃんは一日中ゼロゼロしています。
こうした子は薬は効きにくく、すぐには止まりませんが、2、3歳でよくなることが多いようです。
この痰のからむ赤ちゃんに、喘息も合併した時は、診断も治療も苦労します。

また、乳児期でぜーぜーヒューヒューしても年齢とともに治ってしまう人と、成人まで続く人があり、乳児期は区別はつきません。治ってしまう人は大人の喘息とは違うものかもしれません。
しかし、乳幼児期は喘息の死亡が多い時期であり、また乳幼児期にゼーゼーヒューヒューを繰り返すほど将来の呼吸機能が悪くなることが予想されており、過剰治療になっても乳幼児喘息として治療した方がいいと思います。
心臓の病気でゼーゼーすることがあります。
成人の方で、喘息がよくならないと相談にこられ、実際は高血圧のために心臓に負担がかかって心不全になっており、肺うっ血がおこってゼーゼーしていたという経験もあります。
足がむくんでいて、レントゲンで心臓肥大がみられたことから診断し、循環器科に紹介入院していただきました。
ご老人で突然ぜんそく発作のようになり、本当は心不全だったことを、病院勤務医の時、当直で何人か経験しました。
小児でも心筋炎や他の心臓の病気から急激に心不全になって、ゼーゼーした経験もあります。

 

喘息の診断に必要な検査は?

ゼーゼーヒューヒューが聞かれれば診断できます。
しかし、ゼーゼーヒューヒューは夜間や運動後に多いので、昼間の診察では分からないことも多く、喘息が見逃される原因になっています。
ゼーゼーヒューヒューしない喘息はさらに診断が困難です。
5歳以上では、ピークフローを記録してもらい、1日の変動が20%以上あれば喘息と考えます。
呼吸機能検査は現在の当院の機械では9歳以上でないと安定した結果がだせませんが、フローボリューム曲線から診断できます。
ピークフロー値は比較的太い方の気管支の異常を反映するだけなので、これで正常でも細い気管支の異常はわかりません。呼吸機能検査は細い気管支の異常もわかりますが、機械が必要でピークフローのように手軽ではありません。喘息の診療にはお互い補い合うことが必要です。

血液のアレルギー検査は、乳幼児では重症な方でも陽性にならないことが多く、一方陽性でも喘息のないこともしばしばあり、喘息の診断自体には役立ちません。
しかし、職業性喘息とか、喘息を引き起こす誘引となるものを確認するには役立ちます。
(参考:GINA2002日本語訳71ページ)
5歳未満では診断は症状と診察だけで診断することになり、難しくなります。

 

喘息はこころの病ですか?

むかしはそう言われたこともありますが、現在は否定されています。
スウェーデンの乳幼児の家族研究から、家族関係の問題が喘息を増やすわけではなく、一方喘息発作のこどもがいると家族がうまくいかなくなる率が増えたという研究があります。病気の子供がいる家族へは、援助が必要であることを示すものでしょう。
(参考:Gustaffsson, P. A. et al:Family dysfunction in asthma: A prospective study of illness development. J. Pediatr 125:493-8,1994)
では、なぜ喘息がこころの病と思われたのでしょう。
実際に、心理的なストレスが増すと喘息発作が起こる方も経験します。そうした方は、喘息の予防がうまくされていないようです。重症な喘息の方で予防がされていないと、心理的なストレスといった呼吸器には比較的軽い刺激でも、喘息発作を起こしてしまいます。現在の予防法をしっかりすれば、心理的なストレスがあっても喘息発作を起こすことはないでしょう。
現在、心理的な問題としては、発作を繰り返して生命の危険があることが分かっても予防しない方がいることです。この場合は自殺を図ることと変わらないかもしれません。本人やご家族に喘息の知識が不足しているために予防されていない場合も、分かっていて予防しない場合とが考えられます。実際には知識不足のことが多い印象があります。本格的なカウンセリングでなく喘息の知識を増やす試みで予防されることが多いことを経験したからです。
むろん、自殺対策に準じたカウンセリングが必要な人もいると思います。
(参考:山本崇晴他「小児気管支喘息への取り組みとしての家族教育」子どもの心とからだ。2巻56-65頁1993年)

 

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