山本こどもクリニック

【山本こどもクリニック】浜松市東区の小児科,アレルギー科,呼吸器科

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インフルエンザってどんな病気?

1)インフルエンザはこんな病気です。

 季節性でも新型でもAでもBでも基本は同じです。 
突然、39℃前後の高熱がで、全身がだるくて、ぐったりします。診察室では、椅子にすわっていられず、ベッドに横になっている人です。手足が痛い、筋肉痛もよくあります。咳は最初はないことが多く、吐き続けるなど胃腸炎の症状が初めに出ることがあります。
 高熱は3日くらいで自然に下がります。時には5日くらい続くこともあります。熱が下がって2、3日後に38℃前後の熱が1、2日でることもあり2峰性発熱といいます。熱のあと、咳が2、3週間続きますが、ワクチンを打った人、早く薬を使った人は咳の期間が短くなります。喘息を持つ人では、インフルエンザの時にしばしば喘息発作が出やすくなります。中耳炎や肺炎を合併すると、熱が続きます。普通は冬(1~3月)に流行する病気です。
抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ,イナビル)を発熱後48時間以内に使うと、半数以上の人は翌日には熱が下がり、中耳炎や肺炎の合併も少なくなります。咳が続くことも少なくなります。タミフルは2001年2月に発売され、当初は、とてもよく効いたのですが、季節性インフルエンザ(Aソ連型)では効かない例が増えているようです。インフルエンザBにも効きが悪いようです。新型インフルエンザ(A型に含まれます)では効かない例は少ないとされています。

 

2)熱がなくてもインフルエンザと言われる人がいるのはどうして?

 インフルエンザの検査は、鼻の奥にインフルエンザウィルスがいるかどうかの検査です。インフルエンザウィルスがいても、「インフルエンザの症状」がなく、微熱と鼻かぜ程度のことや、熱もなく元気なことすらあります。過去にかかったことがあるとかワクチンを打ったとかで、本人の抵抗力があれば、「インフルエンザウィルスはいるがインフルエンザ症状はない」という人がでます。ウィルスはいるので、他人に感染させる可能性はあります。なお、インフルエンザ検査は、発熱後12時間を過ぎないと、ウィルスが陽性になるほどには増えないので陰性のことがしばしばあります。また、A型とわかっても新型か季節性(ソ連型、香港型)かは不明です。

 

3)自然に治る病気なのにインフルエンザが恐いのはなぜですか?

 感染性が強く、多くの人がかかるので、なかには重症な人がでることが問題です。特に65歳以上では、肺炎を合併して死亡することが多く、「老人の最後のともしびを消す病気」と言われています。肺炎はインフルエンザで抵抗力が弱まったところへ肺炎球菌などの細菌がついて起こします。65歳以上ではインフルエンザワクチンとともに肺炎球菌ワクチンを打った方がよいのはそのためです。

 

4)インフルエンザ脳炎ってなに?

 数は少ないのですが、子供ではインフルエンザ脳症を起こして死亡や後遺症を起こすことがあります。脳症とは、脳に異常が起こるもので、高熱とけいれん、そして意識不明になります。そのまま死亡することもあり、後遺症を残すこともあります。インフルエンザでは、もともと異常行動や熱性けいれんがよく起こります。異常行動だけでは脳炎とはいえませんが、異常が長い時や意識がおかしい時は脳炎も疑わないといけません。
 インフルエンザの異常行動には、「こわいこわい」とおびえる、何か見えているように振る舞う、意味もなく笑う、時に怯えて走って逃げ出してそのまま外に飛び出すことがあります。2階以上では飛び下りてけがをする人もいます。抗インフルエンザ薬を飲むと異常行動が増えるのかどうかは、大規模調査でもはっきりしません。はっきり増えるとは言えないようです。
 インフルエンザ脳症の時に、強い解熱剤(ポンタール、ボルタレン)を使用すると死亡率が上がるため、弱い解熱剤(アセトアミノフェン)以外は使わないようにしています。

 

5)インフルエンザの急激に進む恐い肺炎ってどんな病気ですか?

 2009年4月にメキシコから始まった新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)では、季節性インフルエンザではほとんどない急激に進む肺炎がおこって死亡する人が出て、大問題になりました。この肺炎は14歳以下に多く、熱が出て、半日くらいで呼吸が速くなり(1分間の呼吸数30以上)、血液の酸素不足(パルスオキシメーターで95%未満)になります。陥没呼吸(呼吸のたびに胸が凹む)や喘鳴(ぜんめい;喘息のようにぜいぜいすること)があることもあります。喘息と違って、聴診器ではぜいぜいはあまりなく、むしろ呼吸の音が弱くなることが多いようです。その後、レントゲンで肺炎像がみられ、肺の機能が落ちて酸素不足が進んで、酸素投与や、ひどくなれば人工呼吸器が必要になることもあります。高熱と呼吸がおかしいことから肺炎と分かり、その原因がインフルエンザと分かっていくようです。
 一方、ニューヨークでは、インフルエンザの発熱が4日以上続いてその後重症の肺炎になり、平均8日目からタミフルを使用しても死亡した人が47人ありました。アメリカでは、熱が出ても1週間くらいはお医者さんにかからないのが普通のようで、もっと早く治療するように勧告されています。
 (ここまで2009年10月)
2009年12月に当院でも、インフルエンザ肺炎を2名経験しました。いずれも10歳以下の男の子で、1人は発熱前から息苦しくなり、発熱2時間後で顔色が青くなりSaO2は83%、もう一人は、発熱後5時間でぐったりして抱えられて受診、陥没呼吸と尾翼呼吸があり、SaO2は92%、2人とも酸素投与して救急車で送り、小児集中治療室へ入院となりました。他のほとんどのインフルエンザの人は、タミフル、リレンザ後すぐ熱が下がるので、軽い人と重症な人が極端です。病院は重症インフルエンザ肺炎が多いため、集中治療室のやりくりが大変なようです。(2009年12月)

リンク集のページでインフルエンザ最新情報をたどれるようにしました。


リンク以外のインフルエンザの資料

解説委員室プログ NHKプログ視点論点
日本感染症学会緊急提言
「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」(第2版)
IDSC国立感染症情報センターインフルエンザQ&A

「新型インフルエンザと肺炎球菌感染症」学習会に参加して ~報告~